「日本の大衆車の黎明期」

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現在は、自家用車を持つことはごく一般的なことです。特に田舎のほうに行くと公的な交通機関も少なく、一家で何台ということも当たり前のことです。しかし、自家用車を持つことは、戦後間もない頃では業務用は別として、一般の家庭で自家用車を持っている家は、かなり裕福な家庭だったかと記憶しています。それは自動車が、その時代は決して安いものではなく、現在のように色々なメーカーや販売店もあるわけでもありませんでしたので、いわゆる『高嶺の花』的な存在だったかと思います。
当時、記憶をたどっても、乗用車としては、日産の「ダツトサン」、トヨタの「クラウン」今は日産と合併しました、プリンスとか限定的な車種しかなかったと思います。
やがて、日本も戦後から経済が復興し、次第に一般家庭もゆとりが出始めた頃かと思います。当時は電気洗濯機、掃除機、冷蔵庫などが家庭でも持てるようになりましたが、まだ自家用車を持っている家庭はそれほど無かった時代でした。
そのようなときに、富士重工が「スバル360」という、コンパクトカーを製造し、販売しました。360ccの自動車など、今では考えられない排気量でしたが、小さいもののそれなりの走行性能もあり値段も手頃で普及しはじめました。それを追うかのように、日産は大衆車とよばれる車の生産計画を発表し、名前を公募しました。公募した結果「サニー」という名称に決まりまして、スバル360よりは、ワンランク上の大衆車として売り出され世間の注目をあびました。私が思うに、自動車の名称を公募で決定したのは、日産のサニーが始めてかと記憶しておりますし、その後もないと思います。一方、ライバルのトヨタとて、黙って見ているわけはありません。トヨタは日産のサニーに対抗して「カローラ」の製造販売を始めました。当時アメリカの車は大きくて、高いものですから、日本の道路事情、日本人の平均収入では、とても手のでるものではありまんでした。
これら、スバル360、日産サニー、トヨタカローラが日本の大衆車の黎明期と言ってもいい車種だと思います。このような車が製造販売されたことに伴い、日本の一般家庭でも、次第に自家用車を所有する家庭が増えてきました。また、日産のサニーとトヨタカローラは、その後、日産対トヨタの二大メーカーが競争した幕開け的な要素もある車の出現でもありました。これらにつきましては、次に仔細に説明したいと思います。

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